日本酒の仕込み【二】 -蒸米-

朝の冷たい空気を割くように、
真っ白な蒸気が立ちのぼる。
その白い靄の向こうでは、
米が刻一刻と、変わっていく。
蒸し上がれば、大きな布で米を受け止め、
ひたすらに手でまぜ、冷ましていく。
外は硬く、内はやわらかく。
外硬内軟に。
麹菌が、よりはぜ込みやすいように──
その理想の蒸し加減を、掌でなぞるように確かめる。
最後に見極めるのは、人の目と手。
今朝も、蒸気に包まれながら、
ゆっくりと、米の芯まで蒸し上がっていく。
外はしっかり、内はやわらかく。
麹菌が、より入り込みやすいように──
その理想の蒸し加減を、
掌でなぞるように確かめる。
最後に見極めるのは、人の目と手。
今朝も、蒸気に包まれながら、
ゆっくりと、酒の芯が立ち上がっていく。
