島から世界へ、米と酒のこれから
壱岐の田んぼで「吟のさと」の稲が風に揺れるのを眺める。
これは、ただの酒米ではない。
この島で、たしかに芽吹き、根を張り、育ってきた。
そしていま、長崎県の推奨品種としての認証が、いよいよ現実のものになろうとしている。
これが認められれば、「吟のさと」は“正式に”長崎の酒米となる。
それはこの蔵だけの話ではない。
これから先、長崎のどの蔵も、この米を使って酒を醸すことができるようになる。
つまり、「吟のさと」は、この小さな島だけでなく、長崎の酒文化全体を前へ進める力になれる
——そう信じている。
「吟のさと」で醸した酒には、これからの広がりを予想させる、確かなポテンシャルがあるのだ。
フレッシュさを最大限に活かすことで、香り、甘み、そしてキレが、心地よく調和し、飲み飽きない。
むしろ、もう一杯が欲しくなる。
冷やしてワイングラスで——そんなスタイルを提案しているのは、
この酒が、洋食にさえ合う懐の深さを持っているからだ。
南の風土で育った米と水で、新しい味を生み出す。
その味はやがて、島を越え、長崎を越え、世界のどこかの食卓に届くかもしれない。
「壱岐で、唯一無二の日本酒をつくる」
それはつまり、世界でOnly Oneの日本酒を造ること。
言葉にすれば大きな夢だが、この島の風も、水も、人も、その夢に向かって、共に歩き出している。
「吟のさと」が、そのはじまりを支えてくれている。