農家と共創する酒造り

よこやま吟のさとができるまで.jpg


新しい日本酒を模索する中で、私は素晴らしい酒米を見つけた。
【吟のさと】だ!
しかし、どんなに良い米を見つけても、それを作ってくれる人がいなければ、酒を造ることはできない。
本当に美味い酒ができるか、確約できない頃の話だ。
それでも、私の想いを理解し、協力してくれたのは、出入りしてる運送業者の社長だった。
彼は本業の傍ら、米農家も兼業していたのだ。

「吟のさと」は味の良い「山田錦」と、壱岐の環境に適した「西海222号」の掛け合わせである。
島で飯米を作っていた彼は、「吟のさと」の栽培を快く引き受けてくれた。

当然、「作ってほしい」と一方的に言って、それで終わりではない。
たとえば、近年の高温障害。その対策として、相談しながら収穫時期の調整をする。
気温も、天気も、毎年変わる。同じ年は一つとしてない。
しかし、一緒にそれを乗り越え、美味い酒を造る。
年を経るごとに、農家と一緒に作り上げる“共創”の意識を強く持つようになっていく。

壱岐は離島ながら、長崎県で2番目に広い平野『深江田原(ふかえたばる)』がある。

壱岐の中心にあるその平野は、島中の米需要を満たしてくれるのだ。
そんな平野の一角に、「吟のさと」の田はある。

私は今年も、稲の植えられた水田を眺め、思う。
今年の酒米は、どんな仕上がりになるだろうか。
そして、どんな仕上がりになろうとも、良い酒を造ると、静かに決意する。
今年の共創も、楽しみに。

壱岐の水、米、風土、壱岐に住む人と共に創っていく。
それこそ、本当の『Made in 壱岐島』になるのかもしれない。


吟のさとができるまで

Instagramではより多くの画像を添えて投稿しております。
ぜひフォローをお願いします。



壱岐の重家酒造 Instagram『重家酒造 公式 Instagram』