まとわりつく湿気た空気を、 やわらかく、リッチにほどく酒。 横山五十 赤磐雄町

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ふくよかに満ちて、静かに締まる。
それは月の満ち欠けのようで。
米の力を、そのまま映した一杯。


グラスに注げば立ちのぼる、
熟した果実を思わせる、豊かな香り。
パイナップルのような華やかさに、奥行きのある、やわらかな甘み。


けれど——
ただ濃いだけでは、終わらない。


口に含むと、じんわりと広がる米の旨味。

赤磐雄町ならではの、ふくよかなコク。

その広がりを、最後にきゅっと引き締める酸が、
味わいに芯を通す。


生ハムや軽やかな肉料理。

オイルベースのパスタや、
爽やかなドレッシングをまとった一皿にも。
寄り添うというより、
料理と並び立つような、豊かさ。

おすすめは、よく冷やしてワイングラスで。
香りと味わい、その両方をゆっくりと楽しみたい。
気の合う人と、あるいはひとりで。

しっとりと落ち着いた時間に似合う。


バランスがよく、素直に米の旨味が溶け出す。
酒米「赤磐雄町」。

やわらかく、溶けるように旨味を広げる米。
だからこそ、このふくらみ。
この、満ちていく味わい。

満ちて、締まる。
夏の夜、月を眺めながら、その余韻に、静かに浸ってほしい。